『ライト、ついてますか―問題発見の人間学』を読んだ
By gushernobindsme at
最近、社内で「もっとテストに力入れていかないとね」みたいな機運が高まっていて、自分としてもそこに貢献したい気持ちがあって、うまくハマる本はないものか、と記憶を掘り起こしていたところピンと来る一冊があった。それがこの本。
本書はいわゆる、ソフトウェア工学における古典で、コンサルの入門書としても有名なため、読んだ人も多いのではないかと思う。本の中で取り上げている事例に計算機の話とかが出てきて、古臭さを感じるところは多少あるけれど、今読んでも全く色褪せない。学ぶところが多い一冊です。
結構みんながやりがちな失敗として、問題を読まずに解こうとする、ということがあると思っていて、
- 障害報告が運用部門からあがってくる
- 報告内容を読む限り、仕様通りの動きをしていなさそうだ
- コードを追いかけてみる
- 確かに報告内容にある通りのロジックになっているぞ!
- 意気揚々と直す
- 念のため仕様書にもう一回目を通してみる
- 仕様と今の実装が正しいことがわかる
- 運用部門と話をしてみると、運用部門の理解が間違っていたことがわかる
- 泣きながら三時間分の作業を revert する
みたいな経験をした人は結構多いんじゃないでしょうか。
こういうケースで効いてくるのがこの本に書かれている「問題発見学」。問題を解くためには、まず問題を発見する(定義する)ことが重要である、と本書では説いています。
本書の目次の構成にもなっている、
- 何が問題か?
- 問題は何なのか?
- 問題は本当のところ何か?
- それは誰の問題か?
- それはどこからきたか?
- われわれはそれを本当に解きたいか?
を、問題を解き始める前に、まず問い直してみることが重要なのだそう。耳が痛い話ですが、小粋なジョークとパンチの効いた挿絵が随所に散りばめられているので、不思議と説教臭さを感じることなくスイスイ読めます。
品質向上、みたいな話で困っている人は息抜きがてら読んでみるといいんじゃないでしょうか。
以下、読書メモです。